熱狂のビアンコネロは酔い痴れる
ユヴェントスがCL決勝トーナメント1回戦に勝利しましたね。
正直に申し上げまして、僕はパパ・シメオネを応援してたので複雑な気持ちなのですが、歓喜に沸くユヴェンティーノの気持ちは分かります。
試合内容を見ればこの結果は妥当も妥当なもので、ドラマティックとは偶然でなく必然なのだと感じます。
もっとも僕は全試合を通して観ていたわけではありませんが。
アトレティコ・マドリーという超難敵相手に無失点かつ3得点というミッションは到底実現出来るものとは思えません。
監督は名将シメオネ、立ちはだかる壁は世界最高のGKの1人オブラク、狙いにくるのはユーヴェをよく知るモラタとW杯の覇者グリエーズマンです。
僕はオブラクを長らく世界最高のGKだと思っていて、だからこそここまで崩されたことに驚きました。
文句無しに強いですよユヴェントスは。
いや文句は山ほどあるのですが。
小言が届かぬほどに確かに強いです。
そんなユーヴェに同じような大逆転劇をたった90分の中で起こしたチームがありましてね。
まぁフィオレンティーナって言うんですけど。
前半0-2からの最終スコアは4-2でしたね。
クリスティアーノ・ロナウドはいませんでしたが、ジュゼッペ・ロッシがいました。
僕は何度もこの逆転劇のことを書いてるんですけど、きっとユヴェンティーノにとってはもう忘れてしまっているほど取るに足らない負け試合だと思うんですよね。
今回のユーヴェvsアトレティコも同様で、きっとアトレティコのサポーターからすれば数シーズン経てば忘れてしまうような敗退だと思うんですよ。
でも、きっと今朝逆転を信じて観ていたユヴェンティーノは忘れない。
何故なら僕がヴィオラの逆転を忘れたことがないからです。
どんなに強いアルコールでも、1週間も経てば酔いはすっかり覚めてしまいます。
一方でたった1試合に5年も酔っていられるのはまさしくフットボールの魔力だと思いますね。
きっとこの勝利はユーヴェにとって僕のようなファンの増えるきっかけになったと思います。
セリエAではやはり2歩も3歩も先にいます。
セリエが1強という揶揄について反対意見を出している方もいらっしゃいますが、現状はどう考えてもユヴェントスのセリエ1強です。
リーグの順位競争で言えば確かにこれはつまらないですね。
3つの強豪がハイレベルな優勝争いを繰り広げるリーガや、実力の拮抗するクラブにスター揃いのプレミアに比べたら、そりゃまぁセリエはつまらないです。
でも違うんですねぇ。
セリエはつまらないのが面白いんですねぇ。
きっと分からない人には分からないのですが、このマニアックさがたまらんのですよ。
パルマvsサンプドリアという試合に「おっ、良いカードだな」と思うこのマニアックさが。
例えるなら、セリエはバラエティではなく、ドキュメンタリーです。
あるいは、オーケストラでなく3ピースバンドです。
皆さんにとってのセリエはなんでしょう。
あるいは、あるいは。
話を少しずつ戻しながらまとめましょう。
つまり、そんな1強天下のユーヴェ様をつまらない程に現実的な方法でどうやって叩くかというのがセリエです。
そしてそんな試合が時に人生を酩酊させてしまうこともあるのです。
ユヴェントスの欧州での挑戦は続きます。
アトレティコとの一戦は決勝ではありません。
しかし、この酔いはまだ覚めません。
僕はユーヴェを応援するつもりはありませんが、同じリーグで戦う敵として、この欧州での大きな勝利と、さらに続く挑戦を祝福したいと思います。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。