ピルロの引退発表が出てから僕のTLにはそれを惜しむ声ばかり流れてきます。
イタリア好きばかりのTLなので当然といえば当然なのですが。
僕が初めて好きになった中盤の選手がまさにピルロでした。
たった一本のパスで試合を決めてしまう、なんと美しいプレーでしょうか。
FK能力は文句なく当時のNo.1です。
ピルロ以上のレジスタは今のサッカーにおいて出てこないと思います。
理由は現代サッカーに求められる中盤の役割が数年前と異なってきているからです。
今の中盤に守備能力は欠かせません。
パスに長けた選手においても、これは同様です。
例をあげます。
ヴェッラッティやマルキージオ、デ・ロッシあたりが出てくるでしょうか。
3人ともにパスセンスに長け、司令塔やゲームメイカーとして世界でも名高い選手です。
一方でマルキージオは攻守において顔を出す運動性があり、デ・ロッシはCBを任されるだけの守備能力、ヴェッラッティも意外と中盤の潰しやインターセプトなんかに一役買っています。
一方、ピルロは守備をしないとは言いませんが、ファーストコンタクトやチェイシングは基本的に行いません。
ピルロの周りには、ピルロに守備をさせないための選手が常に周りいたからです。
そしてそれが最もチームのシステマチックな攻撃を上手く動かすからです。
例えばミラン時代のガットゥーゾやアンブロジーニ、ユーヴェ時代のポグバやビダル、アサモアなどです。
ボールを奪えばフリーのピルロに回し、そこから一本縦パスを入れればピンチはたちまちチャンスです。
過去にフィオレンティーナがユーヴェを4-2の逆転劇で下したのは、このシステムを崩してピルロにファーストコンタクトを当てさせたからです。
ちなみに、これを防ぐためにグアルディオラ(だったかな)が生み出した戦術こそCBシャビ・アロンソだと思ってます。
もっとも、このフォーメーションは守備能力のあるアロンソだからこそできたのですが。
僕はピルロを好きになって以降、レジスタや司令塔、ゲームメイカー、パサーに魅了され続けています。
だからこそ余計にモンテッラ時代のヴィオラの3レジスタシステムに魅了されたのかもしれません。
しかもその後ろに構えるのはロングフィードが持ち味のゴンサロでしたしね。
ピルロの上手さはパスだけでなく抜く上手さでもあると思います。
必要なところでのみスッと動くポジショニングの良さが抜群です。
レジスタにはこれがないといけない。
ピルロ以上にこれらが上手く出来る選手は現状いないと思いますし、中盤に守備が求められる今、このセンスを磨くのはなかなか難しいと思います。
ピルロ自身、これから先自分のような選手は生まれてこないと言ってます。
僕もこれに同感です。
中盤底のレジスタは生まれない。
でも、代わりにCBのレジスタ化が進んでます。
これはこれで面白いと思ってます。
どのポジションにも2つ以上の役割が求められてる時代です。
それでもそんな時代の中でさえパスという武器だけで世界に通用するプレーを披露してみせたアンドレア・ピルロという選手の引き際に拍手を送りたいと思います。
Grazie
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。