17-18シーズン総評
愛するカピターノを亡くし、悲しみに暮れる中で掴んだ6連勝。
しかし6戦目のローマという強敵相手の守り勝ちは思ったよりも精神面をすり減らされており、ここでヴィオラも限界を迎えてしまいました。
7戦目SPAL相手に勝ちきれず、10人vs10人となり荒れに荒れたホームのラツィオ戦を落とし、さらにスポルティエッロ、バデリ、ペッセッラらを欠いて臨んだサッスオーロ戦も負けてしまいます。
ここまでか、と半ば諦めムードが漂う中、道を切り開いたのはこの1年で逞しく成長したストライカー、ジョバンニ・シメオネでした。
絶対王者ユヴェントスと熾烈なスクデット争いを繰り広げていたナポリ相手にトリプレッタ。
クリバリの退場もあって3-0という大勝をおさめます。
さらに続くアウェーのジェノア戦は途中交代組の奮起による逆転劇で2-3の勝利。
EL出場権をかけた争いに望みを繋ぎます。
しかし健闘も虚しく、最終節を残してカリアリにホームで敗れ、同時にアラタンタとミランのドローによってEL出場権をめぐる争いにも敗れます。
これによって消化試合となった最終節のミラン戦を迎える時には既にチームは燃え尽きた後。
1-5の大敗を喫して17-18シーズンを終えることとなります。
最後には敗れてしまいましたが、よくここまで戦ったと思います。
今季のヴィオラに及第点以下をつける人はいないのではないでしょうか。
バレロ、ヴェシーノ、ベルナルデスキ、ゴンサロ、チッチ、タタルサヌら昨季までの主力メンバーのほとんどを失い、代わりに獲得した選手たちはあまりにも心もとないものでした。
しかし、指揮官ステファノ・ピオリのもとで着実にチームは成長し、力をつけていきます。
シーズン後半に差し掛かる頃にはチームにまとまりが生まれ、選手たちの連携も良くなりました。
来季は今季よりも良くなるでしょう。
いくらかの補強も必須になりますが、現状戦力の維持という点も忘れてはなりません。
遅くなりましたが、今季の選手全員採点にて17-18シーズンの総評を〆させていただきたいと思います。
GK
スポルティエッロ 6.0
守護神を任せるには怖いところも多々あったが、スポルティエッロに救われたシーンも多々あった。ネトやタタルサヌも最初はこんな感じだったような気がする。つまりは及第点だ。
ドラゴフスキ 5.0
期待値が高かったぶん、特別悪いことはなかったけれども思ったより能力自体は平均的で拍子抜けした。なるほどこれではレギュラーは奪えない。
DF
ペッセッラ 7.0
1番の当たり補強である。試合毎に逞しくなっていき、アストーリ亡き後はディフェンスリーダーとしてチームを牽引した。対人はここ数年在籍した選手の中で最も強いかもしれない。長く残って欲しい選手である。
アストーリ 7.0
良くも悪くも贔屓はしない。新チームをキャプテンとしてよくまとめてくれた。願わくば、共にシーズンを終えたかった。Grazie Capitano. 僕らの永遠のキャプテン。
ウーゴ 6.0
シーズン前半は動きが硬く、期待値を大幅に下回るパフォーマンスだったが、アストーリの死を乗り越えてレギュラーの座につくとまさに出色の出来だった。ベネヴェント戦のゴールと敬礼を僕らは忘れない。
ミレンコビッチ 6.0
CBとしての起用はまだ改善点の方が多くあるが、RSBとしての起用は抜群だった。若さ溢れる強い守備は魅力である。来季はもう少しクリーンに守って足元を強化してほしい。
ロウリーニ 6.5
ミレンコビッチにポジションを奪われた後も腐らなかった。出場機会があれば持ち前の安定したパフォーマンスでしっかり仕事をした。こういう選手がチームにいてくれるのは有難い。
ガスパル 5.0
トモビッチに代わって出場した際にはダイヤの原石だと思ったが、残念ながら期待した成長はなかった。運動量はあれど、どこに動くか分かってなければ無駄である。
ビラーギ 6.0
ミリッチとオリベーラで戦った昨季を考えれば戦力アップである。オーバーラップのタイミングは良いが、チームが煮詰まってくると闇雲に無駄なクロスを上げ続ける癖を治す必要がある。総じて及第点といったところ。
オリベーラ 5.0
彼にとっては非常にもったいない1年になった。出場機会を得られる力はない。ビラーギ不在時には最低限の仕事はしたが、インパクトは何も残せなかった。
MF
バデリ 6.5
技術はヴィオラでダントツである。途中の怪我が残念だったが、出場すれば広い視野とパスセンスでチームのクオリティを上げた。年齢的にもステップアップにはここがラストチャンスだろう。もし移籍しても感謝しかない。
ヴェレトゥ 7.0
シーズン開幕からずっと出場し続け、ピッチを縦横無尽に走り回って守備に組み立てに貢献した。今や欠かすことの出来ない戦力となった。
ダボ 7.0
即戦力である。先発でも途中出場でも活躍できる。足元の技術もあれば運動量もあり、例えるならば劣化版カンテといったところ。組み立ての能力が身につけばさらに化ける。
サポナーラ 6.0
連勝している時のパフォーマンスはまさにチームの頭脳であった。他の選手にないアイデアで前線を指揮するマエストロもこのパフォーマンスを維持できないのが難点。さて、来季はどうなるか。
エイセリック 5.0
期待外れと言わざるを得ない。得意とされるドリブルは遂に日の目を浴びることはなく、アイデアマンとしてもサポナーラに劣る。残念ながらケイスケホンダとなってしまった。
ベナッシ 6.5
消えてしまう試合も少なくなかったが、チームが完成してくるとベナッシも仲介役として機能した。何より5得点は立派である。プレースタイル的にはもう少しラストパスを工夫してアシスト数を伸ばしたい。
クリストフォロ 5.5
もっと出場機会を得て欲しかったが、バデリと比べると技術面で劣る。能力自体に疑いはないぶん惜しい気持ちはあるが、ピオリの求める選手ではないのだろう。
FW
キエーザ 7.0
もはや言うまでもない才能。一瞬の判断から一歩目でトップスピードに乗れる敏捷性とドリブルはWGとして絶対的な武器である。あとはミドルレンジからのフィニッシュの精度を上げてゴール数を2桁に乗せたい。
シメオネ 6.5
最初は頼りなかった新ストライカーは今や絶対的なエースである。特にローマ戦のゴールはFWとしての成長を感じた。彼のためにも負担を減らせる控えのFWを獲得してあげてほしい。
ジウ・ディアス 5.0
シーズン序盤に見せたキレのあるドリブルも出場機会の減少に伴って自信がなくなったのか見えなくなった。中途半端なプレー続きで途中出場でもインパクトを残せず、物足りない印象である。
テレオー 6.0
シーズン前半戦のMVPも後半に評価を落とした。とはいえテレオーがいなければ前半戦で総崩れの可能性もあったため、総評として及第点はあげたい。
ロ・ファーゾ 6.0
出場機会はほとんどなかったが、今後に期待できる選手だと感じさせてくれた。キエーザが去れば次の才能はロ・ファーゾであるはずだ。来季に期待を込めて今季は及第点とする。
ファルチネッリ 4.5
結果として外れ補強だったが、ジェノア戦のパフォーマンスだけは評価したい。チャンスがあったにも関わらずFWとして得点0では評価のしようがないだろう。今季のワーストである。
ババカル、サンチェス、トモビッチらの採点は控えさせていただきました。
監督に点数をつけるなら7.0です。
理由はこれまで散々語ってきたと思うのでわざわざここでは書きません。
今のセリエで上位を目指すのであれば、チームにリーグ戦最低15得点できるエースは不可欠です。
実際、今季CL圏を争っていた5チームには全てシーズン15得点以上を記録しているFWがおり、スクデットを獲得しているユーヴェにはそれが2人もいるわけです。
シメオネはあと1点届きませんでした。
来季は15-20点あたりを目指して欲しいですね。
そのためにもアシストできる選手がもっと必要です。
現状ラストパスを出せる選手が少ないので。
僕はそこを中盤とFWの連結部分であるベナッシやサポナーラに期待したいと思います。
最後に、シーズンMVPです。
今季のチーム内MVPはヴェレトゥです。
出場試合数はチーム内トップクラスでかつ豊富な運動量と磨きのかかったボールコントロールで中盤を支えました。
何より8得点という結果は賞賛されて然るべきでしょう。
次点でペッセッラ、次いでシメオネ、キエーザといったところですが、平均的なパフォーマンスと安定感、残した数字、成長、出場試合数などを考えるとヴェレトゥがMVPだろうと思います。
皆さん今季はお疲れ様でした。
また来季に期待してメルカートの動向を見守りたいと思います。
獲得争いを制したヴラホビッチ君も楽しみですね。
また、他サポの皆さんもお疲れ様です。
全チームが競争力のある良いシーズンだったと思います。
また来季もよろしくお願いします。