トリノvsローマ、ナポリvsミラン
アタランタがローマ相手に3-3で引き分けました。
どうやらアタランタはオリンピコに強いんだそうですが、それにしても凄い。
アタランタは中堅クラブから強豪クラブへの移行期にありますね。
もっと具体的に言うと、EL争いからCL争いへの移行期です。
スクデット争いとまではいきませんが、3,4位を十分に狙える力をつけてきています。
おそらくヴィオラやトリノ、サンプは10年後も今と同じようにEL出場権を争い、調子の良いシーズンでCL争いにギリギリ参加できる程度だと思いますが、アタランタは別です。
彼らが10年後、CL争いの常連になっている可能性は大いにあります。
さらに言えば、今後20年以内にスクデットを獲得することもあるかもしれません。
間違いなくセリエAの未来であり、中堅クラブの理想形です。
さて、そんなアタランタに負けじと僕らヴィオラもキエーヴォに大勝を収めましたし、トリノもローマをあと一歩のところまで追い詰め、敵地でインテル相手に引き分けました。
近年ネタにされがちだったミランもようやくワールドクラスのストライカーがいなかったことに気付いてイグアインを迎え、ナポリ戦でも善戦しています。
僕はヴィオラ戦の前にトリノvsローマとナポリvsミランの試合を観てますので、少しその感想とチームの印象を書こうと思います。
①トリノvsローマ
第1節でローマを引いたトリノサポーターの方の心中をお察しするところです。
が、実際の試合はむしろローマが苦しめられた内容でした。
トリノがローマのポゼッションを許しながらもファルケやベロッティの攻撃陣は常に反撃を狙い、守備ではしっかりとブロックを作っていたので、ジャッロ・ロッソは攻め手を欠いていました。
後半の頭にはファルケが見事な先制点をあげるのですが、これは残念ながらそのプレーの手前でオフサイドの判定。
これが響いて徐々にローマもペースを掴み出し、良いところがなかったファラオーネやパストーレを代えてさらに勢いを増します。
こうした試合を決定づけるのがやはりストライカー。
89分にクライファートJr.がドリブルで仕掛け、ペナルティエリア右外、ゴールライン際から逆サイドに向けてクロスを上げると、それをダイレクトでジェコが叩き、決勝点に。
苦しみながらローマが勝ち点3を得ます。
怪物級のストライカーを持っている意味というのがよく理解できる試合でした。
この試合は見所の多い試合でしたが、塩試合でもとにかく勝ち点1を3にするのはこういう選手です。
セリエで言えば、昨季15得点以上を記録している面々がそれにあたるでしょう。
僕が15得点と度々Twitterでつぶやくのはこのためです。
シメオネやベロッティ、まだ早いですがクトローネもいずれはこの域に達しなければなりません。
そのポテンシャルはあると思います。
ちなみに僕が現状このレベルに近いと感じるストライカーが、シメオネ、クアリャレッラ、ドゥバン・サパタ、ザザで、これがうまいことヴィオラ、サンプ、アタランタ、トリノにいるんですよね。
セリエ面白い。
話が逸れてしまいました。
最後にはローマが勝ちましたが、トリノめちゃくちゃ強いです。
中盤のメイテとバセッリがこの試合では特に目立っており、一方でDF陣やFWの質も決して低くありません。
なるほどローマやインテルが苦戦するはずだと思います。
上位陣にとって、今季のセリエAの鍵はヴィオラやトリノ、アタランタ、サンプといったクラブ相手にいくつ勝ち点を得られるかというところだと思います。
中堅クラブ同士の対決もかなり見応えあるものになりそうです。
楽しみですね。
昨季ユーヴェのスクデットに最後まで抵抗し続けたナポリはサッリを失ってアンチェロッティを迎えました。
最後まで観てしまえば、アンチェロッティすげぇなという試合だったのですが、ここではミランに焦点を当てて書いていこうと思います。
ヴィオラ同様、第1節が延期となったミランは選手のコンディションがどうかと思いましたが、ここはしっかり照準を合わせて整えてきました。
モティベーターとしての手腕が評価されているガットゥーゾ監督なので、ここは当然というところでしょうか。
長らく欧州トップレベルの世界から遠ざかっているミランですが、それに伴ってトップレベルの選手というものを忘れてしまっていたのが近年の停滞の原因の一つだと僕は思っています。
メネズが活躍してホッとしているようでは浮上は有り得ないということです。
その点においてイグアインの獲得は非常に大きいと思います。
この試合でも随所でこれまでのストライカーとのレベルの違いが感じられるプレーを見せてくれました。
最終スコアは3-2でナポリの勝利となりましたが、先に2点を取ったのがミランです。
先制点は、右サイドのペナルティエリア5m手前あたりから(スソかな?が)左奥に向けて放った斜め方向への速いサイドチェンジをボリーニが頭で折り返し、走り込んだボナヴェントゥーラが跳びながらダイレクトボレーで叩き込みました。
これはあくまで僕の主観ですが、ボリーニは昨季の豪華補強の中で唯一あまり期待されずに迎えられた選手というのもあって、ミラニスタの評価が必要以上に低い気がします。
技術的な面でスタメンを張れるレベルにないのは同意しますが、この試合のボリーニは十分ナポリにとって脅威となっていたように思いますし、何度も攻撃に関与してアシストも記録しました。
及第点以上だったと思います。
ミランの攻撃は昨季よりもスピード感が増したように思います。
これは、ひたすら速い球を縦に入れまくってるという意味ではなく、必要なところでアクセルを踏むということが昨季よりも出来ているという意味です。
スピード感はギャップの中でしか感じません。
ゆったりとしたボール回しやボールキープから急にスピードを上げて仕掛けてくるから感じるのです。
キエーザが良い例で、彼がペナルティエリア手前でドリブルで仕掛ける時、必ず何度か細かくボールに触れてから急に初速で仕掛けます。
この細かくボールに触れる動作でリズムを作りながら、同時に静止→急動作のギャップを作っているのです。
今のミランにはそういう意味でのスピードを感じました。
ボリーニはこれを作り出すためのセカンドチョイスとして持っておいて損はない選手だと思います。
今季のミランは攻撃面においてトップクラスに手強い相手ですね。
一方で、2点を先取しながらも逆転負けを喫したのは監督の腕だと言わざるを得ません。
ガットゥーゾには、ナポリを相手にここを守りきるための術に欠けるのです。
理由は単純な経験不足でしょう。
一方のアンチェロッティはミラン相手の2点差をひっくり返す術とその経験を持っています。
ガットゥーゾが決して悪いとは言いませんが、本気で欧州の舞台を目指し、ナポリ相手に2点差を守り切ってアウェーで勝利を収めるつもりならガットゥーゾは最適性ではないと思います。
中途半端な監督を連れてくるくらいならガットゥーゾと共に時間をかけて成長する方が良いとは思いますが。
僕はモティベーターとして世界最高の監督はジダンとシメオネだと思っています。
ガットゥーゾはそこに辿り着くだけのポテンシャルはあると思うので。
色々と他のチームの事情に首を突っ込みました。
僕がどこまで正しいかは自分でもわからないので、ん?と思ったら裏を取ってください。笑
というわけで、どうやら難敵ぞろいな今季のセリエなんですけども、ローマもナポリもトリノもミランもアタランタもヴィオラが倒すので、各チームのサポーターの方は震えて待っていてください。
ちなみに僕の今季のスクデット予想はインテルだったんですけど、なんだか早くも外れそうな予感で一杯なので、僕の分析はその程度です。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。