アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

先勝

プリマヴェーラカップ戦決勝、フィオレンティーナvsトリノがアルテミオフランキにて行われました。

プリマの決勝はH&Aでの戦いとなるため、まだ決着がついたわけではありませんが、それでも2nd Legを迎えるにあたってかなり良いスタートを切れたのではないかと思います。

 

前半は基本的にトリノペース。

全員攻撃全員守備の分厚い層に思うようにチャンスメイクや組み立てをさせてもらえません。

トリノはとにかく奪ったら運んでサイドに流し、グラウンダーのクロスというのが最も完成された攻撃。

それだけに個人で奪ってそのまま運ぶだけのクオリティを備えた選手が揃っており、運動量も全体として豊富でした。

個の力で言えばトリノヴィオラを終始圧倒していたように思います。

 

一方のヴィオラはフィジカル的にも技術的にもトリノに劣るため、ファールで止めるのが精一杯。

攻撃に転じることを許してもらえず、まともなシュートチャンスを作ることが出来ぬ状態です。

 

しかし、トリノがフィニッシュの精度のみを欠き、得点をあげられずに迎えた前半終了間際にヴィオラのカウンター。

右サイドからトップチームにも招集経験のあるRSBフェッラリーニが敵陣深くまでフリーで運んで低いクロスを上げると、中央に飛び込んだヴラホビッチと彼に付く2人の相手DFが触り損ねて流れたボールに対しファーで走り込んでいたのがMFベロコ。

遅れて守備に入ったトリノの選手をファーストタッチで躱したベロコが、残った守備の足によって倒され、ジャッロ&リゴーレの判定。

これをヴラホビッチが勇敢に叩き込んで先制します。

 

後半は先制して落ち着いたヴィオラがゲームを組み立てようと試みます。

前半はロングボール一本頼みであった攻撃が、短いパス回しやセカンドボールを拾って仕掛けるショートカウンターによって脅威を増します。

 

しかしトリノの守備陣は冷静で、一対一で負けることはまずありません。

容易に敵の懐に飛び込まず、出方をうかがって最も安全な対応をしてきます。

攻撃においても前半同様、個の力で打開を図り、加えて速く短いパスで守備陣を翻弄しようとしてきます。

ただ、先制された焦りからか、ここでシュートに急ぎすぎて精度を欠いたのがトリノの敗因の一つでしょう。

 

さらに迎えた64分。

トリノの攻撃の要であったコネがヴィオラの守備をドリブルで剥がしてエリア陣内に運ぶと、ヴィオラのDFの後方からのスライディングによって倒されます。

トリノの選手たちは審判にリゴーレではないかと詰め寄りますが、ここはノーファールの判定。

ヴィオラとしては一難逃れます。

正直あれはリゴーレだろうと思いましたが、別の角度から見ると違うのかもしれません。

ただ、主審の判定が試合を通して安定することはなかったということだけ書いておきます。

 

さらにトリノの攻撃の勢いは増しますが、次にネットを揺らしたのはまたもヴィオラの方でした。

カウンターで得たヴィオラのチャンスをトリノの選手が素早い守備で潰します。

しかし、そこで中途半端に中央に流れたボールにいち早く反応したフィオレンティーナのMFが前線中央でフリーとなっていたヴラホビッチにパス。

GKとの一対一となったプリマのエースがゴール左隅へと冷静に放ったグラウンダーのシュートは、反応したトリノのGKの手からわずかに逃れてポスト内側を叩き、反射したボールは中の方へ。

歓声と共にネットを揺らします。

 

これで完全に勝負あり。

そのままスコアは動くことなく笛が鳴り、ホームでクリーンシートの複数得点という最高の結果を持って最終ラウンドとなる敵地へと向かうこととなりました。

 

 

正直プリマの試合ではこの状態からトリノの大逆転というのも珍しい話ではありません。

事実、クオリティの面で言えばトリノのプリマは素晴らしかった。

ただ、何度も申し上げているようにフィニッシュの精度と、そして何よりセカンドボールの回収に問題がありました。

ホームに構えるトリノは、あのアタランタプリマを2-0で破ったチームです。

たかだか2点のアドバンテージで引いてかかるようではまず間違い無くやられます。

大事なのは恐れず攻め込むことです。

その中で鍵となるのがこの試合で途中出場したコフィでしょう。

彼が入ってからチームの雰囲気がガラッと変わり、中盤で運べるようになりました。

2nd Legでも先発かどうかは分かりませんが、きっと出番があるはずです。

苦しい時に流れを変えてもらいたいですね。

 

すぐにトップに上がってくるかといえばそうではないでしょうが、ヴラホビッチ、モンティエル、ベロコ、フェッラリーニ、コフィあたりにはかなりポジティブな印象を受けました。

カンポレーゼという偉大な才能の育成に失敗しているところからも、今戦っている彼ら全員に成功が約束されているかといえばヴィオラプリマは決してそういう場所ではありませんが、それでもやはり下部→トップデビューというのは夢見てしまいます。

1人でも多くの選手がより高いレベルでプレーできるように応援し、見守っていきたいですね。

 

最後に先日トップチームデビューを果たしたモンティエルが試合後にInstagramに投稿した言葉を雑に訳して終わろうと思います。

趣味レベルなんで誤訳の可能性もあります。

ここだけ引用NGで。

それでは、2nd Legでも偉大なる勝利を。

 

 

モンティエル「今日という日を生涯忘れることはないだろう。セリエAでデビューした日だ。家族、チーム、ティフォージ、そして僕がここに至るまでに助けてくれた全ての人達の支えに感謝したい。現実になったものはまさに僕の夢であり、これを糧にして楽しみ、努力を続けていかなければならない。」

 

ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。  拙い文章読んでくださってありがとうございました。