アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

vsローマ 採点

なんと形容していいのか分からない。

数シーズン前はナポリと共にセリエで最も美しいと呼ばれたヴィオラのサッカーの姿はどこにもなく、そこにあったのはただ勝つために泥臭く、不恰好に、そして懸命にボールに食らいつくチームの姿だった。

形になってきていたサイド攻撃を捨て、アイデンティティとも呼べる中盤のポゼッションを忘れ、ひたすらに守りに徹したフィオレンティーナが浴びたのはブーイングと言う名の歓声だった。

ボールがクロスバーを叩く音、相手選手の怒号、体と体がぶつかり合って散る汗の飛沫、長いホイッスル。

そう、僕らは勝ったのだ。

アウェーの地でCLベスト8を戦うチームに。

 

採点

 

スポルティエッロ 7.0

最初こそ怖い足元のミスがあったが、落ち着きを取り戻した後は実力の150%のセービングでオリンピコでのクリーンシートに大きく貢献した。

 

ペッセッラ 7.0

体を張ってローマの強力な攻撃陣をシャットした。特に前半のジェコのシュートをブロックしたシーンは気持ちが前面に出ていて、チーム全体の士気にも影響した。

 

ウーゴ 6.5

ペッセッラと共にしつこく嫌な守備でローマを苦しめた。腕の使い方は少し怖いが、大きなミスもなく、90分間我慢し続けた。

 

ロウリーニ 7.0

完璧だった。守備は安定していて恐れがなく、対応を間違える場面は一つもなかった。この試合における要求は全てこなしたと言っていい。

 

ビラーギ 6.0

時折守備が甘くなり、突破される怖い場面もあったが、それでも及第点を下回ることはないだろう。攻め込まれる中で左から縦パスを入れられたのはかなり大きかった。

 

ヴェレトゥ 6.5

ゲーム序盤は自陣ペナルティエリア付近での良くないパスが目立ったが、スポルティエッロ同様、徐々に攻守において献身的なプレーが出るようになった。

 

ダボ 7.0

影のMOMである。ダボ抜きで今日のクリーンシートはなかった。フィジカルを活かした強い守備と高いボール奪取能力が合わさって、潰しの役割を完璧にこなした。ローマの中盤をイラつかせて空気をヴィオラのものにした。

 

ベナッシ 7.0

値千金の先制点を冷静に流し込んだ。その他にも攻撃面においてセンスのいい縦パスが要所要所で出ており、攻め込まれる試合にあっても反撃の意思を示し続けた。

 

エイセリック 5.0

完全に試合から忘れ去られていた。攻守ともにいつどのタイミングでボールに触れたのかすら分からない。この試合でクオリティを示すことは出来なかった。

 

サポナーラ 7.0

覚醒したテクニシャンは止まらない。ローマの守備を巧みなボールタッチで翻弄し、サイドから先制点をアシストするグラウンダーのクロスを入れた。ここ数試合同様、攻撃における頭脳であった。

 

シメオネ 7.5

誰がどう考えてもMOMである。強い体幹で横からのタックルに負けず、強引に抜き去って決めた追加点はもはや感動的であった。シメオネがボールを収め続けたおかげで守備戦術が成立した。満点以上だ。

 

ジウ・ディアス 5.5

高い感度を活かした守備は良かったが、数少ないカウンターのチャンスを2度潰した。これは後半の好機の全てだったと言っていい。ファーストタッチが悪い。

 

ミレンコビッチ 6.0

特別に大きな仕事をやってのけたわけではないが、やるべきことを理解していつもよりクリーンに守りきった。

 

ファルチネッリ

出場時間が短すぎるため採点不可。

 

 

ピオリの狙いが100%機能した試合だったと思います。

早い段階で先制点を奪うと、以降は引いてペナルティエリア付近を固め、隙を突いてシメオネが見事な追加点。

あの追加点は誰も予想してませんでした。

シメオネが前線で体を張ってボールを収め、仕掛けに行ったからこそ攻撃を1〜3枚に留めて守備に人数をかけることが出来たわけです。

 

前半で2得点という願ってもない結果に守備陣も奮起し、かといってガス欠を起こすほどもしつこくいったり深追いしたりしない冷静さがありました。

だからこそ際での守備になっていたのだと思いますが、ヴィオラの狙いは攻めさせないことでなく、攻められるのに決められずにイラつかせることでした。

結果としてこれは大成功です。

攻められているのにヴィオラペース。

後半の序盤の集中砲火を受けきるとそれ以降は一対一もほとんど負けず、中盤から縦に入るボールはインターセプト出来ていました。

エースのジェコは死ぬほど怖かったですが、ビラーギもナインゴランやファン・ジェズスの怒号を相手に怯まず、誰もオリンピコを恐れていませんでした。

 

この試合展開を支えたのが中盤の頭で守備を担当したダボです。

ダボ良いですね。

めちゃくちゃ良いですね。

完全に当たり補強だと思います。

ペッセッラ&ウーゴのCBコンビも板につき、スポルティエッロも最後まで切らさずに守りきりました。

そして何より今日のゴールポストにはアストーリがいましたね。

 

ローマ相手に2得点かつ無失点。

誇っていいと思います。

次はSPAL戦ですが、これが意外と曲者で、ユーヴェ、インテルアタランタといったクラブ相手にドローでゲームを終えているチームです。

2月半ばから6戦連続無敗というチームなので、6連勝中の我々同様勢いがあります。

サッカーで最も怖いのは好調のチームなので、個人的にはこのローマ、SPAL、ラツィオの3連戦が鬼門かなと思います。

 

良い週末になりました。

このペースを崩さずにホームのナポリ戦までいきたいですね。

 

ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。  

拙い文章読んでくださってありがとうございました。