『アルノ川の畔から』なんて言いながら、実はこのブログの最初の記事らしい記事はJリーグ観戦記でした。
というか、それを書きたくて選手採点をブログで始めたとまで言えます。
Jリーグはつまらないなんて言ってる人にはスタジアムにも行かずに何言ってんだと言いたいですね。
サッカーってのは本来コタツでみかん剥きながら観るもんじゃないんですよ。
遠い海外なら話は別ですが、国内に足を運びもせずに「Jはレベルが低い」と評して分かったふりをしているのはカッコ悪い。
まぁそんなこと言いながらも僕は欧州が世界に誇る名選手であるイニエスタ、ポドルスキ、ビジャ、トーレスを観に行ったわけですが。
さて、この記事では前回の観戦記のようにポジティブな話ばかりではないかもしれません。
というか、めちゃめちゃ文句を書きます。
僕個人の価値観でいつも以上に自分本位な文句を書き連ねますので、耳障りだと思ったら最後まで読まずに退出して下さい。
ちなみにこれは試合内容に関する文句ではないということだけ先んじて記しておきます。
では、中身に移ります。
チケットを購入したのは一般発売日の夜。
僕には高校時代同じサッカー部で苦楽を共にした自慢の友人達がおりまして、そのうち2人が僕とは比べものにならないほどの欧州サッカーオタクなんです。
で、その2人と月一で欧州サッカーの会(基本はプレミア2人とセリエ1人)をやってるんですが、丁度チケットの発売日がその会の日でして、「行かないか」と誘ったら即答でOKもらったので、そのまま3枚購入しました。
2人とも超がつくほどの戦術オタクで、試合開始1時間前にアップが始まるまでフラットの4-4-2が守備最強説を唱えていたのですが、アップが始まるともうピッチに釘付け。
試合が始まると試合が動いた時に感嘆の声を漏らしたり、素晴らしいプレーに拍手したり、決定機を逃したら頭を抱えたりといった様子でした。
事実、僕らが観てきた選手達は本当に上手かった。
イニエスタのプレーは魔法がかかっていたし、ビジャがボール持った時の迫力はスタジアム最上部にいた僕らにも伝わってきました。
それだけではありません。
MF三田はドリブルで敵の守備を剥がせてボールを失わない優れた選手でしたし、初瀬のカウンターを潰す体を張った守備、新加入ダンクレーの安定感、西の攻め上がりは攻撃に厚みをもたらしていました。
そして、僕は一人ではありませんでした。
何を言っているのかというとつまり、フィオレンティーナばかりを観ている僕にとってサッカーは一人で観るものになっていたんです。
でもそうじゃない。
スタジアムに行くと何千何万という仲間と応援することになります。
これはスタジアムじゃないと経験できませんよね。
「Jはレベルが低い」から観ないというのは何と勿体無いことか。
フットボールは楽しいんです。
シュートがバーに当たって決まらなかった時、声をあげるのが一人じゃないことが楽しいんです。
敵のシュートが枠をとらえなかった時に安堵のため息を漏らすのが一人じゃないことが楽しいんです。
キックオフの笛が鳴るその瞬間を待っているのが一人じゃないことが楽しいんです。
何度でも言います。
フットボールは楽しいんだ。
でも、
でもね、
とっても残念なことに、僕と僕の友人は試合に集中することは残念ながら出来ませんでした。
ここから先は文句です。
ここまでて退出してもらっても構いません。
続けます。
僕ら3人の隣に座った観客の方はアップが終わって試合が始まる直前にやってきました。
試合が始まると前半の45分間はずーっと喋りっぱなし。
雑談ではありません。
解説?分析?を永遠にしてるんです。
「あのプレーはこうだからそうなった」「あの選手はこうだ」といった話をずーっとしてるんです。
ティフォージ(ごめんなさい、Jリーグの熱心なサポーターを何と呼ぶか分かりません)のチャントをバックサウンドにして思わず漏れる歓声と共にゲームを観たい僕らにとってはこの頼んでいない解説は本当に耳障りでした。
勿論試合の楽しみ方というのは人それぞれです。
強制されるものじゃありません。
でもスタジアムで45分間ずっと喋られるのは迷惑でした。
実況や解説が欲しいならテレビで観ますから。
そしてハーフタイムに入ります。
試合中はさすがに迷惑になりますが、ハーフタイムなら一言お互い嫌な気分にならない言い方で少し控えてもらえるようにお願いしようかなと思いました。
きっと彼も同じサッカーを愛する仲間だと思うから。
しかし、残念ながらハーフタイムになるとその方はすぐに席を立ってしまい、後半開始の笛が鳴ると同時に戻ってこられたので、声をかけることは叶いませんでした。
後半に入っても解説は続きます。
おそらくここまで読まれた方は「解説ならいいじゃん」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
僕が最も嫌だったのは、その解説の中に選手の悪口が混じってくることです。
プレーの悪口なら良いんです。
「おいそこ決めろよ」とか「守備もっと厳しくいけよ」とかならわかるじゃないですか。
でもそうじゃなくて、「俺はアイツが嫌いだ」とか「◯◯は本当にクソだ」とかそんな話です。
好き嫌いがあるのはわかります。
でもスタジアムでホーム側の座席に座ったのなら、試合中は応援するのが筋じゃないですか。
僕はDFの初瀬をガンバ時代から応援しているのですが、その方は初瀬がどうしても気に入らないらしく、ずっと初瀬の悪口を言ってました。
高いお金でチケット買って、神戸までそのためだけに遠征して、高揚する気持ちとともにスタジアムの自分の席を探して、自分の応援する選手がクソだとずっと言われながら試合に集中することができますか?
僕には出来なかった。
悔しかったですよ。
良いプレーしても「あぁ、これだけだね良かったの。初瀬は。それ以外はクソ」と言われてるのに何も言えずに応援するのは。
ここが家やネット上なら良いんです。
スタジアムやパブリックビューイングでは違うじゃないですか。
僕の友人は山口蛍がとても嫌いなんですが、スタジアムで山口の悪口を言ったことは一度もなかった。
当たり前なんですが、僕はそんな友人を誇りに思います。
「じゃあ言い返せよ」「注意しろよ」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ごもっともです。
楽しみ方はそれぞれあることは重々承知で、失礼に値するのも理解した上で、ファールで少しゲームが止まっている間に僕は我慢できなくなって小声で声をかけました。
「お兄さん、ごめんなさい。失礼なのは分かっているんですけど、少しだけお話を控えてもらえませんか?」
と言いました。
「もしかしてうるさかったですか?ごめんなさい、気をつけます」
と言ってくださったら、少しでも分かってもらえたら、握手して終われるかなと期待して。
でも返ってきた答えは喧嘩腰の「なんでですか?」でした。
そりゃ試合中に声かけられたら良い気持ちはしないと思います。
でもなぁとやりきれない気持ちになります。
ハーフタイムでもないですし、試合の止まっている僅かな時間の中なので、きちんと説明は出来ません。
もっと良い言い方は出来たのかもしれませんが、僕は「なんでですか?」に対して、
「僕は初瀬を応援してるんです。だから、失礼なんですけど、すいません」
と言いました。
出来るだけ穏やかに、笑顔でそうお願いするのが精一杯でした。
すると彼はこう言いました。
「あぁ、そうですか。僕は初瀬悪いと思ってるんで。まぁでも、控えます」
僕には彼がスタジアムで同じチームを応援している仲間だとはどうしても思えませんでした。
それからまたブツブツ何かを言われていたらしいのですが、友人がそれを聞いて若干どすの利いた声で「まだ言うか?」と言うと収まりました。
結局それからも解説は終わりませんでした。
僕らは90分隣で訳のわからない解説を聞きながら過ごしました。
試合は素晴らしいものでした。
唯一それだけが残念でした。
すみません、吐き出せなかったので、ここで吐かせてもらいます。
気分を害されたらごめんなさい。
最後に、一つだけ。
僕らはスタジアムの上から2番目の列で試合を観ていたのですが、それよりさらに上、スタジアムの一番上の列から幼いチャントが聞こえてきました。
僕はそれを耳障りだなんて全く思いませんでした。
勇敢な歌声でした。
そんなスタジアムになればいいなと思います。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。