アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

Be a Surfer

新年度というのは慌ただしいもので、それに引っ越しがくっつくともう手がつけられません。

残念ながら今年度は非常に忙しくなりそうなので、どこまでブログが更新できるか分かりませんが、マイペースに書いていこうとは思います。

 

さて、順位的には上を見るより先に下を見なければならなくなってきましたね。

しかし、もう順位なんてものには興味はありません。

それが良いのか悪いのかといえば悪いのですが、今の状態だからこそ見えてくるものは沢山あります。

そもそもリーグで上に行くよりもカップ戦を制した方が話は早いですし。

 

本当は採点もしたかったのですが、今も持ち帰りの仕事の合間をみて書いているので、時間の都合で省略させていただきます。

じゃあなんで更新しているのかというと、時間を作ってでも書かねばならぬと思ったからです。

理由はもうお分かりですね。

 

僕の激推ししている若手モンティエルがトップチームでデビューを果たしました。

最近のヴィオラの試合からは期待感やワクワク感、新鮮味を感じませんでした。

しかし、このトリノ戦は違います。

キエーザのデビューした試合を覚えているでしょうか。

僕は覚えています。

小柄ながらも繊細な足技と一瞬で急加速するスピードを武器に右サイドで積極的に仕掛ける姿に誰しも魅了されたはずです。

モンティエルとキエーザのタイプは異なります。

しかし、この試合のモンティエルのプレーにワクワクしないサポーターはいなかったはずです。

 

その体は若竹のように細く、フィジカルコンタクトでは到底勝てそうにありません。

しかし、僕がプレシーズンに観たモンティエルは間違いではなかったと思いました。

ヴラホビッチに送った2本のパスを観れば十分です。

制度、強さ、タイミング、そのどれもが素晴らしい。

まだ先発で使えるほどフィジカル的に完成してはいません。

それでも判断能力だけで言えば今の中盤の誰よりも優れているのではないかと思いました。

またどこかで出場機会が与えられることを願っています。

 

そしてヴラホビッチについてです。

献身的な前線からの守備は好印象ですね。

ただ、プリマではフィジカルで勝負できても、トップチームではもう一つ武器が必要です。

例えばポストプレー、抜け出し、ヘディング、足技、シュート、エトセトラ。

何かゴールに直結する、あるいは組み立てに参加するための技術がないとただの脳筋プレーヤーになり兼ねません。

ヴラホビッチが化けるとすれば、彼がその何かを見つけた時だと思います。

つまりは今のままだとポジション争いには勝てないということです。

 

ただ、一つだけ言えるのは、モンティエルとヴラホビッチの相性は抜群に良かったということです。

ヴラホビッチのもう一つの「何か」はモンティエルにヒントがあるのではないでしょうか。

抜け出しやヘディングは判断力と制度に優れたモンティエルのパスである程度なんとかなるのです。

すると最後の鍵はシュートかポストプレーのどちらかです。

僕はもしヴラホビッチが敵のタックルを受けながらも強烈なシュートが撃てるようになれば面白いんじゃないかと思っています。

 

明後日の朝にはローマ戦となります。

今考えるべきは順位を上げるというよりも、カップ戦アウェーでアタランタに勝つための最適解を探ることです。

結果云々というよりも、その過程が重要となります。

 

東京事変のスポーツというアルバムに乗り気という曲が収録されているのですが、その歌詞の中に「読みかじった文字面と視たままの数字を覚えて知った気になってるようじゃ今日も丘サーファー」という一文があります。

これ僕はリズムと語感、言い回しが抜群に好きなんですけど、それよりも自分のスタンスとして大事にしている言葉です。

「fiorentina pagelle」で検索すれば選手採点なんて山ほど出てきますし、ハイライトを観れば決定的なシーンは網羅出来ます。

プレー集を見たらその選手が試合の中で見せた凄技のチェックは完璧です。

知りたい選手の名前とプレースタイルなんて知恵袋で聞けば誰かが教えてくれますしね。

ただ、それで知った気になっているようではいつまで経っても丘サーファー。

Twitterウイイレ厨が観戦厨から何故か異常に嫌われている?のもこれが原因です。

 

選手を知りたきゃ、チームを知りたきゃ、90分通して試合を観るしかありません。

コントローラー握っていて出来るのは自分の想定内のプレーだけです。

実際波に乗ってみたら想定外だらけ。

そして結果でなく過程を見る必要のある僕にとっては余計に丘サーファーではいられません。

 

キエーザが初めてトップチームのピッチに立った時見せたプレーは想定外でした。

いつだって僕らを夢中にするのは「想定外」です。

どれだけチームが落ちぶれても忘れられぬ「想定外」があるからこそ、僕らの血はチームの色に染まるのです。

その刹那の輝きを見逃すな。

 

ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。  

拙い文章読んでくださってありがとうございました。