アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

18-19シーズン 総評

遅くなりましたが、シーズン総評です。

多分ポジション別に分けて更新する方が読みやすいのでしょうが、面倒なのでまとめて出します。

評価についてはいつもの選手採点と同じ形式です。

前置きはこれまでの記事で十分してきたと思うのでここまでにして、早速書いていきたいと思います。

 

GK

ラフォン 6.0

パフォーマンスにムラがあるようには感じなかった。まずこの時点でスポルティエッロからの変更が正しかったと言える。ただ、セリエ初挑戦の弱冠20歳にチームはタスクを与えすぎた。それによって空回りすることもなかったでもないが、彼のセービングに救われた場面は1度や2度の話ではないはず。及第点が妥当だろう。

 

テラッチャーノ 7.0

セカンドGKとしては百点満点の活躍であったと言える。じゃあラフォンに代えて一番手にしよろ!というのは暴論で、おそらくシーズン通した安定感や他のメンバーとの連携もラフォンの方が上なのだろう。とは言ってもドラゴフスキをレンタルに出してラフォンが怪我をした時の絶望感を丸ごと払拭したのは彼の実力に他ならない。役割を全うしてくれた。

 

 

DF

ペッセッラ 5.5

彼個人のパフォーマンスとしては安定感溢れる優れたものだった事に違いはない。しかし、シーズン終盤まで重ね続けた失点の責任をピッチ上の誰に問うかといえばディフェンスリーダーの彼なのである。組織レベルで守備を構築するためにはさらに1つレベルを上げる必要がある。まずは簡単にGKに任せないフィードから。

 

ウーゴ 5.0

ムラの多さがCBとして致命的である。良い時のウーゴはカバーリングに対人に申し分ないが、そうでない時は自動ドア。ポテンシャルを考えると控えに置けるなら十分な戦力だが、ファーストチョイスには心許ない。数年前のクリスティアン・サパタのような印象である。オファー次第では放出もあり得るか。個人的には放出には反対。

 

チェッケリーニ 5.5

ウーゴのうっかりさんのお陰で何度か出場機会を掴んだものの、指揮官の信頼を得るには至らず。正直ヴィオラレベルにはないなというのがシーズン通して見た印象である。今季のパフォーマンスも大車輪の活躍というゲームはなかった。しかし、最後の一歩まで足を出すスタイルは評価できる。

 

ミレンコビッチ 6.0

ミレンコビッチがいなかったら今季のヴィオラの守備はもっと早い段階で崩壊していた。右サイドで敵の攻撃を潰す強い守備に攻撃参加が加わってまた一つレベルを上げた。とはいえまだまだ噂に上がるような額は過大評価。数年後、ベロッティやミリンコビッチ・サビッチのような「売り時を逃した選手」になってしまう感も否めない。ただ、今季の残留はミレンコビッチ無しでは実現し得なかった。それだけで売り時を逃した意味があるというものだ。

 

ビラーギ 6.0

昨年度序盤の不安定さなど誰も覚えていない。アッズーリの常連となり、左サイドからのクロスはヴィオラの強みとなった。クロスの一本頼みから新しい事をやろうという姿勢も見える。しかし、まだクロスだけが武器であるという現状でもある。ワンサイドのみで輝き続けるにはコラロフの強烈なミドルやMアロンソの正確なプレースキックなどのような突出した武器がもう一つ必要である。

 

ロウリーニ 5.5

ミレンコビッチがレベルを上げたことにより、ロウリーニの評価が相対的に下がった。コンスタントに出場してこそ安定感という強みが活きるが、それ以外に取り立てて強みのない彼は控えとして生き残るのにアピールのしようがない。年齢的にもレンタルで成長を促すというのは選択肢にないだろう。彼の為にも自身の強みを発揮できる場所を探してもらいたい。

 

ハンツコ ---

出場機会はほとんど無かったが、可能性は十分に感じた。おそらくビラーギを失ってもまだやれる。短い時間でもサポーターにそう感じさせるには十分だった。まずは武器を身につけるところから。

 

MF

ヴェレトゥ 7.0

これまでも何度も言ってきたが、紛れも無いヴィオラの心臓である。広い視野とプレーエリアで攻守両面のサポートを実現した。加えて特筆すべきはPKの成功率で、ヴェレトゥがスポットにボールを置いたその瞬間、ゴールは決まっている。つまりVARと非常に相性がいい。おそらく来季はナポリに行くのだろうが、もうすぐキャリアの最盛期に差し掛かる今、是非CL出場という夢を実現していただきたい。

 

ベナッシ 6.5

頼れるチームトップスコアラー。ここぞという時の狡猾なポジショニングが抜群に良い。組み立てや守備に貢献は望めないが、結果を残しているのは確かである。選手の噛み合わせ次第ではさらに化ける可能性はあるだろう。しかし、使い方が難しい選手でもあるため、新体制で昨季ほどの出場機会が得られるかどうかの確証はない。アッズーリ復帰には組み立てと守備での貢献が不可欠だろう。そうなれば、ヴィオラの新たな心臓となるかもしれない。

 

エジミウソン 5.0

ダヴィデ像の次に動かない。「守備に走らない守備的MF」という「あげない唐揚げ」みたいな新時代型MFである。ここまで出場機会を得たのが信じられない。あらゆる試合で戦犯となった。まず間違いなくレンタルバックだろう。戦術的インテリジェンス、足元の技術、視野、判断、ゲームメイキング、創造性、全部無い。ただ、弾丸ミドルだけは痺れた。スペインやイタリアで輝ける選手ではないだろう。

 

ダボ 5.0

加入時は縦に運べる推進力が持ち味の選手だったが、今季そんなシーンはめっきり見なくなってしまった。視野の狭さと相変わらずのボールの放し方の悪さをサポート出来る選手が周りにおらず、結果的にチームにプラスとして作用した試合は僅かなものであった。愛されキャラクターはピッチ外でも役割があり、ベンチでも腐らず努力したのは間違いない。適切なオファーがあれば売却だろうが、個人的には好きな選手なので残って欲しい気持ちもある。

 

ジェルソン 6.0

WGやらCMFやらDMFやらAMFやら色々やらされた。その全てで一定のパフォーマンスを発揮した点は評価に値する。ドライローンだが、もしも交渉次第で残せるのであれば残しておきたい。これほどのユーティリティプレイヤーはチームに要らないわけがない。しかし、スタメンを確保するには何か足りない。ローマに戻ったところで居場所があるとは思えないが、ローマを満足させられるほどもヴィオラは金を出せないというのが二律背反である。

 

アゴール ---

バデリの後釜として最も期待した選手だったが、のびのびとプレーすることは一度もなく、遠慮がちなショートパスに終始した。ブレントフォードへの移籍が決定している。新たな地では持ち味を発揮して頑張ってほしい。

 

モンティエル ---

フィジカルさえ完成すればすぐにでも通用するインテリジェンス。ごく僅かな出場時間でそれが十分に伝わった。無理に出場させてスペランカーにしたくない。成長が楽しみである。

 

ベロコ ---

モンティエルやヴラホビッチほどのびのびとはプレー出来なかった。当たり前といえば当たり前である。しかし、プリマで見せた弾丸シュートに期待せずにはいられない。またトップに上がってきて欲しい。

 

FW

キエーザ 6.0

一瞬でトップギアに入れる加速力とどこからでも狙える積極性はWGにとって何よりの武器である。イタリアの未来でありフィレンツェの宝石。数字という形でもっと結果を残したかったのが本音だが、その貢献度を否定することなど出来はしない。チームとしての完成度が低すぎたため、独力での突破しか選択肢がなかったというのが痛い。それでも終盤のチームの絶不調時に勝ち点3をもぎ取る一発がエースには必要だった。

 

シメオネ 4.5

今季ワーストの選手だった。エジミウソンも酷評したが、セリエ初挑戦の1年目であることを忘れてはいけない。しかしシメオネはそうではない。自信を失い、積極性を失い、果ては指揮官からの信頼も失った。ムリエル加入後、ジョーカーとして起用されてから少し良くなったが、それも低評価を覆すほどではない。昨季シメオネありきの戦術で戦ってきた以上、そのシメオネの深刻な不調はチームにも大きく影響する。チームの主軸となるのはここまでである。

 

ミララス 6.0

ベテランがチームに与えたものの大きさは計り知れない。守備もサボらず、サイドで仕掛け、左右のバランス取りも図った。欲を言えば数字で結果を残したかった。しかしこのまま別れを告げてしまうのは勿体ないとしか言えない。フィレンツェに、彼に不満を唱える者などいないだろう。来季の指揮官と他の選手の去就次第なところはあるだろうが、レンタルバックでも拍手で送り出したい選手である。

 

ムリエル 7.0

途中加入とは思えぬほどの速さでチームに馴染み、あっという間にチームの柱となった。サンプドリア戦のゴールをきっと僕は忘れない。来季も主軸に据えられるかどうかはシーズン終盤に平凡となった様子を見ると微妙であるが、それでも今季についてはこの点数しかないだろう。高額な買取価格がどう転ぶか。メルカートの動向に注目である。

 

ヴラホビッチ 5.5

プリマ組の中では最も出場機会を得た。それだけに、せめて1つは得点が欲しかった。プリマのコッパを観ていると大器であるのは間違いない。ヴィオラの未来。期待している。

 

ピアツァ 4.5

ピッチ上でのピアツァといえば恐ろしいほど存在感がない。ボールを受けては簡単にロストし、当然の如く追いかけない。守備はしないし組み立ても出来ない。物凄い勢いで期待を裏切っていった。シーズン途中の怪我は災難であるし同情もするが、評価としてはシメオネと並んで最低評価である。ただ、フィレンツェを最後まで選んでくれたことには感謝している。僕はフィオレンティーナを自分の意思で選んでくれた選手にプレー批判はするが、謝意を欠くことはない。新しいキャリアに幸あれ。

 

モンテッラ 4.5

いくらボロボロのチームを途中から率いているといえども0勝で評価するところなど何もない。ユーヴェに善戦したのは好印象だったが、結果として負け。それ以降は内容の一切伴わない負け続き。これではピオリを解任した意味がまるでない。来季に向けた土台も出来ず、ひたすら情けなく殴られ続けるチームを見て評価しろという方が無理である。来季もモンテッラというのは不安であるが、解任して次というのも何のための招集だったのか。ヴィオラに残されたのはどっちに転んでもダメという不自由な二択である。

 

 

 

だらだら長くなりました。

というわけで、最後にまとめるのも疲れるので少しだけ。

 

採点の基準は一定ではありません。

全て期待値や選手の役割、在籍年数などから設けた僕の独断と偏見という基準で採点しています。

色々ご意見あるかと思いますが、是非他の方も意見も聞いてみたいのでコメント下さい。

来季はもっとポジティブな振り返りが出来たらいいなと思います。

 

あと、無断での宣伝になっちゃうんですけど、まりごめさんのヴィオラシーズン総評も面白かったです。

言い出したらキリがないんですが、SSC MorottiさんやNpoliさんのナポリ、Dinoさんのトリノのシーズン総評も面白かったです。

この時期こういう記事が色々上がってて面白いですね。

是非どんどん書いてください。

そして書いたぞ!ってアピって下さい。

全部読みます。

 

ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。  

拙い文章読んでくださってありがとうございました。