アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

個人的クラブ観測【インテル〜サッスオーロ編】

インテル

主な補強:チャルハノール、コルダス

主な放出:ルカク、ハキミ 等

 

 経営に苦しみ、昨季スクデット獲得の立役者となった2名の主力を売却。さらに、リーグ優勝請負人のコンテも退任した。EUROでエリクセンが倒れ、一命は取り留めたものの、戦線復帰の目処は未だ立たず。追い風よりもむしろ逆風の中にある。

 ポジティブな点は、給与を安く抑え、セリエで実績のあるシーモ・インザーギの引き抜きに成功したこと。コンテと比べると、CLやコッパも含めてリーグを戦い抜く上ではどうしても見劣りするが、これはもう金銭的な条件を考えれば仕方ない。あとはルカクの後釜に据えると見られているジェコがどこまで活躍できるか。

 

 

ミラン

主な補強:メニャン、ジルー 等

主な放出:ドンナルンマ、チャルハノール 等

 

 失速して監督が解任されるだろうという見方が強かった昨季だが、ピオーリは見事に戦い抜き、2位という十分な結果を残した。

 メルカートでは、戦力ではあったもののムラの多さも指摘されていたチャルハノールや、代理人の関係もあり、チームにネガティブな影響を及ぼしかねない存在になっていたドンナルンマに見切りをつけ、メニャンという実力十分の後釜も連れてきた。人身掌握に長けたピオーリのもと、モチベーションの面では申し分なく思える。

 負傷離脱の多いズラタンの代わりとしてジルーも用意し、プレシーズンでは早速ゴールを決めている。近年、マンジュキッチ然り、イグアイン然り、実力十分とみられていたCFの補強が外れに終わってしまっていた感があるので、ここで払拭したいところ。

 心配な面は、やはりCLである。大舞台慣れしていないピオーリが、どこまで戦えるのか。また、リーグに影響がどう出るか。ピオーリの次なる障壁である。

 

 

アタランタ

主な獲得:ロヴァート、デミラル 等

主な放出:ロメロ、ゴッリーニ 等

 

 絶対的な主力の放出はロメロのみ。その後釜も、ヴェローナのロヴァートやユーヴェのデミラルなど、時間をかけずに的確な補強を済ませた。守護神ゴッリーニの後釜には、ウディネーゼからムッソを獲得。監督の変更もなく、懸念点はほとんどない。スクデット候補本命という見方も頷ける。

 パプ・ゴメスが去ってなお、攻撃陣はマリノフスキやペッシーナ、ミランチュク、イリチッチがいる。スパーズのケインやインテルルカクの後釜にサパタが狙われるという噂もあったが、実現はせず。今季も恐怖の全員攻撃が繰り返されるのだろう。

 

 

ユヴェントス

主な獲得:カイオ・ジョルジ

主な放出:フラボッタ、デミラル 等

 

 10連覇の夢は潰え、国内無敵の絶対王者は昨季4位に終わった。ピルロはプロジェクトから降ろされ、あの恐ろしきアッレグリがまたトリノに戻ってきた。2年前とは他クラブの様子も全く違うが、アッレグリの哲学を知る者はチームに多く残っている。普通に考えて、アタランタに並ぶ優勝候補である。

 ずっと噂に上がってるロカテッリは、選手もチームも移籍を望んでいると言われつつも、サッスオーロと話はついていない模様。ただ、この移籍がきちんと実現すれば、理想的なレジスタまでも組み込まれることになる。強敵になることは間違いない。

 

 

ナポリ

主な補強:

主な放出:ヒサイ、マクシモビッチ 等

 

 ガットゥーゾが退き、新シーズンを率いるのはルチアーノ・スパレッティである。既存の戦力を活かして戦うことのできる彼を監督に据えたのは、現在のメルカートの状況をみれば正解だったと言えるかもしれない。

 ヒサイやマクシモビッチをフリーで失ったものの、補強は今もなし。スクデット候補の本命とはいかないだろう。CL出場権の獲得がスパレッティに課せられるノルマになるであろうことを考えれば、新監督を迎えた他のチームより早く戦術を浸透させて完成度を上げたいところ。格上相手の直接対決にどれだけ勝てるかというよりも、むしろ格下相手の取りこぼしをいかに減らせるかが大事になるだろう。

 

 

ラツィオ

主な補強:ヒサイ、フェリペ・アンデルソン 等

主な放出:ルリッチ、パローロ 等

 

 シモーネ・インザーギの長期政権にピリオドを打ち、セリエで実績十分のマウリツィオ・サッリを新監督に迎え入れた。一昨季にスクデットに手が届くかという完成度を誇ったものの、続く昨季は6位に沈んだ。そろそろ天井が見えてきたところでの監督変更は悪くないだろう。後任にサッリを選んだのも良い。彼ならば、ルイス・アルベルトやミリンコビッチ=サビッチ、ホアキン・コレアらの能力をさらに引き伸ばして戦術に昇華させるはずだ。

 例の如く派手な補強はないものの、クラブをよく知るフェリペ・アンデルソンを僅か300万ユーロで復帰させ、ナポリとの契約を満了したヒサイをフリーで獲得という、地味ながら確実な戦力の確保に成功している。どちらもサッリズムの完成には役立つだろう。

 

 

【ローマ】

主な補強:シャムドロフ、ルイ・パトリシオ 等

主な放出:ウンデル、パウ・ロペス 等

 

 賛否両論であったフォンセカが首都を去り、代わりにやってきたのはなんとスペシャル・ワン。ジョゼ・モウリーニョはサポーターの歓声と共に再びイタリアに降り立った。彼の時代は終わったという声もあるが、セリエAは熟練のベテランこそ輝く場所である。言わずと知れた名将は守備に難ありだった昨季のローマで自慢の砦を築けるか。

 メルカートでは、GKがファースト、セカンドともに移籍した。ウルヴズより獲得したルイ・パトリシオと帰還したロビン・オルセンゴールマウスを守ることになるだろう。不安視されていたスピナッツォーラの代役はパルメイラスからウルグアイ代表のマティアス・ビニャを獲得。上手くフィットすれば、長期戦力にも利益にもなるだろう。

 心配なのはCFである。インテル移籍が濃厚となったジェコの後任を誰にするか。チェルシーのエイブラハムを第一候補にしているようだが、プレミアの若手を相手にすると当然金がかかる。かなりのベテランになっているジェコの移籍金はあてに出来ないし、メルカートの王者と呼ぶには少々赤字が過ぎる印象。

 

 

サッスオーロ

主な補強:マテウスエンリケ、ルアン

主な放出:マルロン、トゥラーティ 等

 

 セリエA屈指の若手戦術家、ロベルト・デ・ゼルビは、ウクライナへと旅立った。後任となったのは、エンポリセリエA昇格に導いたディオニージ。ボールを保持してパスを繋ぎ、WGで仕掛けてゴールに向かう攻撃的なデ・ゼルビの築いたサッスオーロをどう作り替えてくるだろうか。デ・ゼルビには守備面での批判が常にあった。ディオニージは自分の色を出していく上で、守備的な基盤を整えることから目を背けることは出来ない。

 戦力面では、ユーヴェ移籍間近とみられるロカテッリの後任をグレミオから確保。エンリケは、ブラジルでも注目の若手万能型MFと見られている。デ・ゼルビがサッスオーロから引き抜いたのはCBのマルロンただ一人。エンリケと共にグレミオから獲得したルアンは、レンタルでもう一年元のクラブに留まることになるため、CBの頭数をどうするのかは気になるところだ。また、退団を明言しているボガの去就も気になるところ。ポジティブなのは、チームの柱ベラルディが愛情を示していることだ。

 

 

続く