泥沼にハマった者同士の対決という感じでした。
なんとしても失点したいローマとなんとしても引き分けに終わりたいフィオレンティーナ。
こんな調子で月末のアタランタ戦大丈夫か?と心配になりますが、前の記事でも申し上げた通り、今大事なのは過程です。
「上手くいかなかった」という事実が何よりの成果でもあるわけです。
ラフォン 5.5
ジェコのグラウンダーミドルを防いだセービングは見事。しかし、ザニオーロにやられた同点弾は少々情けなかった。
ペッセッラ 6.5
GKの手前で地面に叩く先制のヘディング弾は見事。ジェコとの一対一もしっかり抑えた。一方でアーリークロスの対応が課題か。
ウーゴ 6.0
やれることはやった。堅実とは言えないまでも、今できる最大限を尽くす姿勢がスライディングに表れている。あとはスライディングの前に攻撃の芽を摘むインターセプトの嗅覚が欲しい。
ミレンコビッチ 5.5
冷静さを欠いたジャッロは残念。ペロッティの強烈なシュートによる失点も、自責とまでは言えないが、守備時の視野の狭さが垣間見えた場面であった。
ビラーギ 6.5
今やヴェレトゥと同等の安定感である。課題と言われた守備もこの一年でかなり進歩し、ボールを保持したときの落ち着きが増した。2点目の起点となったクロスの前のトラップを見れば一目瞭然である。
ヴェレトゥ 6.5
不甲斐ないDF陣の守備のサポートでなかなか持ち前の推進力を発揮出来ぬ中、ここまで組み立ての起点となることが出来れば上出来だろう。ポジショニングはMFというよりむしろCBという深さ。ここを1列上げることが出来れば。
ベナッシ 6.0
攻撃に関しては非常に良い。守備面で計算できないのが痛いが、攻撃にベナッシを欠くのも痛い。ファーストシュートはよく抑えた良いシュートだったが、コースが甘かった。
ダボ 5.5
ボールを持てば後ろに返すだけ。色んなところに顔を出すサポートは有り難いが、乗っている時の止められない面白さは消えている。弱みを補うために強みを失い、平凡な選手になってしまった。
ジェルソン 6.5
トップ下でプレーしてから良い縦パスが出るようになり、簡単にロストしない粘り強さも活きている。2点目となったミドルは抑えの効いた素晴らしいシュートだった。
シメオネ 5.5
前半戦のシメオネに比べたら可能性は段違いである。ポジショニングは良く、裏への意識も高い。しかし、ゴールに向かわないトラップにミスが多い。決定力もまだまだである。
ムリエル 6.0
要所要所でクオリティが光る。ロングレンジからポストを叩いた弾丸シュートやショートカウンターから素早く振り抜いたファーへの一発など、撃てばゴールを感じる。もうすぐまた点を決める。
キエーザ 5.0
まだまだ本調子とはいかない。独力での突破も仲間との連携も上手くいかず。そして自陣にまで全力で戻って敵に体をぶつける献身性がCFのポジションでは活きない。
ミララス 5.0
流れを変えるどころか悪くした。ひたすらボールロストを繰り返し、終いにはカウンターが一切機能しなくなってしまった。これはベテランに求めるプレーではない。
前半は完全にヴィオラペース、後半は逆にローマペースでしたね。
どこがその流れの変わり目だったかというと、4-3-1-2からいつもの4-3-3に戻したあたりです。
今まで個人技だけを頼りに戦ってきたものが、前半戦で上手く機能したのは一対一でなく組織プレーです。
それをまた個人技に頼ったチームに戻してしまったため、個の力でヴィオラに勝るローマに流れを取られてしまいました。
つまりはピオリの采配ですね。
一方でスターティングの4-3-1-2に関しては決定力に課題があれど、可能性は感じました。
何が良いってこれまでより真ん中の幹がしっかりしているところです。
これまでヴェレトゥだけでなんとかしなくちゃいけなかったものがかなり改善されていると思います。
キエーザが最も活きるのは間違いなくWGですが、WGを置くフォーメーションが本当に他のメンバーに合っているのかは議論の余地がありそうです。
もとはピアツァとミララスという打開力のあるWGを補強し、両サイドから崩せるようにしていました。
しかし、現在のところ仕掛けるのは専らキエーザのところで、反対のサイドはバランス取りです。
ジェルソンのLWG起用が物語ってますね。
そしてそのジェルソンですが、もともとセンタープレーヤーということもあり、視野は狭くありません。
そして他の選手との組織的な相性もいい。
強烈なミドルも撃てる。
この試合のようなトップ下起用の問題点というのが特に見当たらないんですよ。
強いて言えば覚醒サポナーラやバレロほどのアイデアがないことですが速攻においてはそれほど問題にはなりません。
シメオネについても、1トップよりも2トップの選手です。
一人で色んなタスクをこなせるほど彼は器用ではありません。
DFとの駆け引きに全力を注がせれば、もっとゴールも生まれるはずです。
しかしこのフォーメーションだとミララスとキエーザの居場所がありません。
どちらも2トップの一角として起用することは可能ですが、100%のパフォーマンスができるかと言えばクエスチョンマークがつきます。
果たしてどうするのが正解か...
もうこの週末には次節フロジノーネ戦が待ち構えています。
トライアンドエラーで色々試してみないと正解なんて見つかりません。
11人もいる選手を落とし込むのは簡単ではありません。
今は勇敢に試みる時です。
トリノやローマは現状格上チームですが、フロジノーネは格下です。
つまり圧倒できなければ上手くいったとは言えないということです。
ヴィオラがここでまた引き分けるようでは勝てません。
圧勝ならば上手くいった、辛勝ならば改善の余地あり、引き分け以下ならば話にならない、という評価です。
ヴラホビッチ、モンティエルという若手の起用やフォーメーション変更に加えてダボの先発など、今のピオリにはここまで見られなかった試行錯誤が見られます。
月末までにはまだあと3試合あります。
個人的に大きいと思っているのは、アタランタ戦の直前にユーヴェとアウェーで戦えることです。
ここでチャレンジできるのは本当に大きい。
とにかく怪我のないように、チャレンジャーとして最後まで足掻いてやりたいですね。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。