第三節を終えました。
ローマ、トリノ、アタランタという難敵の連戦を終え、得た勝ち点は6。
順調とみていい結果です。
リードした状態で終盤を迎えても、決して守りに入らず攻め切ろうとする姿は我々が求めていた「攻撃的なフィオレンティーナ」そのものであるように思います。
選手の評価も概ね良く、賛否分かれるカジェホンやボナヴェントゥーラも個人的にはかなりいい戦力になっていると思います。
ソッティルやマレーらの若手についてはまだ伸び代がありますが、だからといって「使えない」というわけではなさそうです。
つまり、まだまだここからフィオレンティーナは進化していきます。
週末が楽しみで仕方ないですね。
さて、今季のヴィオラの掲げる目標ですが、ここまで補強して10位では甘いと前の記事に書きました。
様々考え方はあると思いますが、僕個人的に今季の目標は「勝ち点60」だと思ってます。
これは例年7,8位程度の勝ち点であり、ELに出られるかどうかのライン上という立ち位置です。
まずはここまで上がりたい。
ドローもある程度考えながら過去のデータも参考に逆算すると、17勝前後で届く数字です。
ここまで2勝。
あと15勝が必要です。
となると、大事なのはスクデット争いスクデットを繰り広げる強敵相手の大金星より同格・格下相手にきっちり勝ち切ること。
特に目標をおおよそ同程度とするであろうトリノやサッスオーロ、サンプドリアらとの試合は重要になってきます。
第二節でトリノ相手に勝ち切ったことの価値は大きいですね。
次節ジェノア戦は17勝到達のためにも勝っておきたい試合です。
ここまでバッラルディーニ率いるジェノアは1勝2敗という戦績ですが、2敗を喫した相手はナポリとインテル。
勝ち点を落としても仕方ない相手です。
一方、前節カリアリ戦は2-0でリードされながらも3点を取り返して逆転勝利。
複数得点でのリードを覆せるだけの力を持ったクラブです。
油断してたらやられます。
要注意選手は2人。
1人はラツィオで伸び悩んだもののSPALで実績のあるMFファレス。
攻撃的なサイドプレーヤーとして、左なら前後ろどこでもこなせる選手ですが、前節では中盤のストゥラーロとの交代で出場しています。
前節は後半からの出場で2得点をマークしています。
もう1人は中盤の要ニコロ・ロヴェッラ。
ユーヴェから修行に出てきた若手MFで、19歳にして確かな技術と視野でゲームメイクできる逸材です。
アッズリーニで10番をつけていることからも将来の期待度が分かります。
この2人を封じるために、ヴィオラのキープレーヤーとしてあげたいのが、まずヴェヌーティ負傷の為、先発が予想される右SBのオドリオソラ。
アタランタ戦ではほとんど抜かれることなく激しいサイド攻撃に対応できていたので、同じパフォーマンスを期待したいです。
そしてもう1人がMFのダンカンです。
時折怖いパスミスはありますが、前節アタランタ戦では中盤→中盤や守備陣→中盤のパスを奪って攻撃へとつなげていました。
攻守にわたって非常によく効いていたと思います。
次節も先発起用されるかどうかは微妙なところですが、ロヴェッラに自由に組み立てさせない為にはアタランタ戦のようなダンカンの動きが有効ではないかと思います。
昨季二桁得点を記録したデストロは、サナブリアやサパタを完封したミレンコビッチがいるので、それほど大きな脅威にはならないでしょう。
今季のミレンコビッチは昨季まで以上に頼りになりますね。
もう一年契約延長してくれないかな。
また、ヴラホビッチの進化も著しいです。
テラッチャーノからのフィードが収まる収まる。
未熟だった2年前と比べて、ここまで体張っていろんな仕事が出来る様になったかと感心します。
リゴーレ2本といえど、3試合3得点は立派な数字です。
このまま今季も20得点を期待したい。
冒頭でも述べましたが、ボナヴェントゥーラとカジェホンの働きも無視できません。
前者は3枚の攻撃陣をサポートする動きと、自らも狙いに行く姿勢で1本のアシストと1本のリゴーレを獲得し、後者は左サイドから組み立てられる攻撃のフィニッシュの為のスペースを作り、タイミングがあれば飛び込んでいきます。
カジェホンはまだ連携面で課題があったり、時間帯によっては消えてしまうこともありますが、今のヴィオラには十分な戦力です。
そして何よりビラーギです。
昨季のどうしようもないロストマシンから一転。
今季はカピターノに相応しいパフォーマンスを披露してますね。
ちゃんと明確な役割を与えられて、狙いをはっきりさせてしまえば、仕事は出来ます。
残念ながら1を聞いて10理解できるような頭のいい器用なタイプの選手ではないので、イアキーニの不十分な戦術?では活きなかったのでしょう。
今のプレーならばアッズーリ招集も納得できます。
カウンター時に運んだり、ゴール前エリア枠45°の位置から狙いに行ったり出来るソッティルは、フィニッシュにまだ大きな課題があります。
期待の出来る動きは見せているので、このワンシーズンでさらなる成長が見たいところ。
新しく仲間入りしたトレイラとオドリオソラは期待通りの即戦力。
後者は前述の通りで、前者はボール保持時は敵から上手く逃れながら、守備の時にはスペースをうまく消していた印象です。
ただ、組み立てという面では、まだ評価を下すには時期尚早かなと思います。
アタランタ戦では、守備陣からサイドに流れて縦に展開、またはGKのフィードからヴラホビッチに当てて流れていくような場面が多かったので、中盤で保持してゲームメイクというような形はトリノ戦に比べて少なかったです。
ここは現状プルガルに軍配が上がりそう。
ただ、格下や同格相手にある程度ボールを保持し、主導権を握って展開したい場合はプルガルを、格上相手に攻撃をしっかり抑え、転じて速攻で仕留めようという場合にはトレイラを起用という使い分けも出来るかなと思います。
まだまだ完成形が未知数な部分もありますが、今の選手層ならばガスペリーニのアタランタのように、ゲームによって上手く構成員を変えながら攻撃性の高いスピリットを維持してシーズンを戦い抜くことも不可能ではなさそうです。
ここまで終えたのはたった三試合ですが、明かりの見えなかったトンネルからの出口がようやく見えてきました。
イタリアーノのヴィオラはまだまだここから上がっていきます。
第一節で敗れたローマにも、後半戦でリベンジできます。
昨季スクデットのインテルや好調ミラン、ナポリにも負けるつもりはありません。
守って守って守り切るのでなく、攻めて攻めて攻め切る。
新生フィオレンティーナはセリエAをさらに難しく、面白いものにしてくれるはずです。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。