地獄の20-21シーズンが終わりました。
最後まで残留争いの渦中にあった昨季がどん底だと感じていましたが、そこからどれだけ這い上がったかといえば、全く変わっていません。
あとは上がるだけだと思っていたら、まさか平行移動の道を行くとは思いませんでした。
何はともあれ、残留です。
来季もAで戦えます。
最終節の熾烈なCL出場権争いに盛り上がるセリエファンを我々がどんな気分で見ていたか。
こんな屈辱をいつまで味わうことになるのか分かりませんが、惚れた弱みでどこまでも付き合っていくしかありません。
少しずつ今季を振り返っていきましょう。
どん底から始まった今季が平行移動に終わったのは、シーズン前から絶望のメルカートを送ったからでありました。
文句は山ほどありますが、3点あげます。
まず1点目です。言わずもがな、監督人事ですね。
コロナ禍にあって、交渉が思うように進まなかったり、シーズン前の準備も来年のように進まない中で信頼できる人材の確保は難しかったとは思いますが、それにしてもイアキーニの残留はあり得ません。
案の定、まともな結果も得られずに途中解任に終わりましたね。
これの何が悪いかというと、昨季のモンテッラ残留→イアキーニ就任の流れと全く同じことやってることです。
シーズンを棒に振る最悪のミスを2季連続で招いているフロントをどう評価しろというのでしょうか。
これでのうのうとフィレンツェに居座っているのですから、本当に気分が悪いです。
2点目です。訳の分からない条件でのチームの大エースの放出です。
今となってはキエーザが恋しいだなんて微塵も思いませんが、もともと7000万ユーロを現金で求めていた選手を、国内最大のライバルクラブにめちゃくちゃ譲歩してプレゼントしました。
プラデお前ユヴェンティーニか。
本当に気持ち悪いな。
今季のユヴェントスはキエーザがいなければトップ4フィニッシュはなかったと思うので、ユヴェンティーニからしてみれば高笑いですね。
今季最も売り手が嘲笑されるべき取引です。
筆を進めれば進めるほど情けなさと苛立ちで手が震えますが、続けます。
3点目です。失ったエースの代役です。
結果的にプランデッリがヴラホビッチをシーズン中にストライカーへと成長させたためなんとかなりましたがシーズン前の主な獲得選手はカジェホン、ボナヴェントゥーラ、バレロ、クアルタ、バッレーカです。
これにレンタルバックのビラーギが加わります。
第1節のトリノ戦で出色の活躍を見せたビラーギや浪漫補強のバレロはともかく、カジェホンやバッレーカはほとんど使われないまま終わり。
全盛期を過ぎたベテランばかりの補強に、果たしてどこを見据えたチームづくりなのか理解不能です。
事実、この中で成長というか伸び代が見えたのはルーカス・マルティネス・クアルタただ1人でした。
涙が出そうですね。
このように、まず土台のところからガッタガタの状態でシーズンが明けたわけなんですけども、さらに予想外の事態に陥ります。
開幕戦素晴らしいパフォーマンスを見せたビラーギが、たちまちインテル移籍前のロスト&雑クロスマシンに逆戻りしたことです。
さらに、何故か攻撃性能抜群のリローラが使われないことで、両WBの脅威が皆無となります。
かつて強みだったサイド攻撃を失ったフィオレンティーナは、中央で勝負するしかなくなります。
なんですが、残念ながら中盤だけでリズムも作りきれず、結局リベリーが落ちてきてゲームメイクを試みます。
すると芋づる式に新たな問題が浮上します。
ヴラホビッチの孤立です。
最前線の真ん中、一人でボールを保持できない彼はどうするかというと、サイドに流れます。
当然その先にはつながりません。
これにてヴィオラの攻撃は手詰まりとなり、試合が終わります。
前期イアキーニ時代です。
これを少し解決したのがプランデッリです。
ヴラホビッチを真ん中に残し、中盤でアムラバトをボールの集め所にすることで、少しずつボールが動くようになってきました。
昨季この役を担っていたプルガルはボール保持の役目をカストロヴィッリとアムラバト、あるいはボナヴェントゥーラに任せることで、ボールをさばくことのみに徹することとなりました。
結果として、プルガルは昨季より良くなったように感じます。
リベリーが必要以上に降りてこなくて済むようになったことで、攻撃の枚数とサポートが増えました。
ヴラホビッチの爆発は、彼自身の成長は勿論のこと、周りのサポート体制やゲームメイクの部分も多く関与していると感じます。
プランデッリが辞任してからもヴラホビッチの好調は続きます。
終わってみれば、シーズン21ゴール。
得点ランキング単独4位という立派な成績を残しました。
今季唯一のポジティブな話だと思います。
再びフィレンツェに舞い戻ってきたイアキーニは、苦しみながらもなんとかセリエA残留のミッションを達成。
これには素直に感謝しなければなりません。
特にユヴェントス相手に前半圧倒してのドロー決着と、ラツィオ戦のパーフェクトゲーム。
この2試合は見事でした。
果たして来季多少なりとも調子が上向いてくれるのかは分かりません。
どん底からたった2年で欧州大会の出場権を争おうだなんて虫が良すぎる気もします。
まずは目先のメルカートです。
せめてここで一縷の望みを持たせてもらいたい。
スパレッティにもサッリにもガットゥーゾにも監督就任は拒否されました。
そりゃそうだ。
チームとしての基盤も出来ておらず、補強もまともに出来ないクラブですから、選べる立場にあると思う方が勘違いです。
この泥沼どん底ヴィオラを引き受けてくれた監督を信じようと思います。
一先ずここで筆を止めます。
またメルカートの話が進んできたらお会いしましょう。
ここでプラデにお別れ出来ることを祈って。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。