アルノ川の畔から

セリエA🇮🇹の古豪フィオレンティーナを応援するブログです。ヴィオラ中心に色々書きます。

個人的クラブ観測【スペツィア〜昇格組編】

【スペツィア】

主な補強:フリストフ、コリー 等

主な放出:リッチ、サポナーラ 等

 

 昨季降格候補筆頭とみられていたスペツィアを余裕の残留に導いたのは、有能な指揮官だった。英雄ヴィンチェンツォ・イタリアーノは奪われた。チームを牽引した戦力の多くがレンタル元のクラブに戻り、中盤の核であったリッチはフリーで退団した。さらにはピッチ外の問題で来季の補強禁止処分まで受ける。気が気でないオフシーズンになったはずだ。

 戦力的に考えて、今季は極めて厳しい戦いになるだろうと予想せざるを得ない。果たしてチアゴ・モッタの哲学はピッチ上でどこまで具現化されるだろうか。

 

 

カリアリ

主な補強:ダウベルト、ストロートマン 等

主な放出:ナインゴラン、ルガーニ 等

 

 ビッグネームを多く擁し、台風の目になるかとも見られた昨季のカリアリは、終わってみれば15位と期待通りにいかない結果となった。例に漏れず財政的にも厳しく、補強も十分に進んでいるとは言えない。

 ただし、指揮官レオナルド・センプリチは同様のSPALで能力を遺憾なく発揮し、A残留に導いた実績がある。引く手多数のナンデスがここまで残っているのも心強い。まずは手堅く勝ち点を重ね、サッスオーロヴェローナに次ぐ躍動に期待したい。

 

 

トリノ

主な補強:ピアツァ、ベリシャ 等

主な放出:シリグ、エンクル 等

 

 マッツァーリ以降なかなかハマり切らなかった監督人事で、ようやく期待できる人材を引き抜いた。ヴェローナを押し上げたイヴァン・ユリッチである。速くアグレッシブなカウンターは、ポゼッション思考のジャンパオロよりチームに噛み合うだろうと予想される。

 戦力的には、DFリーダーのエンクルの退団は痛い。昨季名を挙げたブォンジョルノが今季どこまで伸びるかで守備の安定度は大きく変わる。攻撃面では、ベロッティの残留は何よりのグッドニュースだろう。問題はその両脇である。リネッティ、ヴェルディ、ピアツァらの中でベストな組み合わせをなるべく早く見出したい。

 

 

エンポリ

主な補強:クトローネ、ルペルト 等

主な放出:サベッリ、テルジッチ 等

 

 セリエBを首位で終えた指揮官ディオニージはサッスオーロへと旅立った。後任はアンドレアッツァーリ。過去にエンポリを率いたことのある将である。ただ、Aでの過去の成績は芳しくない。

 戦力的な充実度は低くない。ナポリのルペルトに元ミランヴィオラのクトローネ、マンクーゾやイスマイリに期待の若手サムエレ・リッチ。とりわけ中盤には20代の才能を多く抱える。彼らの成長次第では、残留も現実味を帯びてくる。

 

 

サレルニターナ

主な補強:シミー、ボナッツォーリ 等

主な放出:アントヌッチ、アンデルソン 等

 

 23季ぶりとなるセリエA復帰を果たしたサレルニターナは、シーズン開始前にオーナー問題で注目を浴びることになった。半年以内のクラブ売却を条件にAで戦うことが認められたが、戦力的には未知数な部分が大きい。

 セリエAで戦ったことのある選手はかなり少なく、まずは序盤戦をいかに凌ぐかが重要になる。これに失敗する昇格チームは珍しくない。そうならない為の最初の山場は10月半ばのジェノア、スペツィア、エンポリヴェネツィアとの4連戦である。ポジティブなのは、昨季クロトーネで目覚ましい活躍を見せたシミーを確保できたことだ。今季も爆発を期待したい。

 

 

ヴェネツィア

主な補強:カルダーラ、オケレケ 等

主な放出:エスポジト、マレー 等

 

 ミラノやローマ、フィレンツェナポリと並ぶ主要観光都市、水の都ヴェネツィアが昇格プレーオフを制しAに上がってきた。新たな舞台に向けて積極的に補強を進め、迎えた新選手はここまで13名。特にカルダーラはDFリーダーとして本領発揮が期待される。

 監督は昨季に引き続きパオロ・ザネッティで、4-3-3や4-3-1-2といった布陣をベースに組み立てる。注目は過去にインテルにも所属していたFWのフランチェスコ・フォルテ。レンタルで毎年別のクラブを渡り歩いた苦労人が、昨季15ゴールをあげたヴェネツィアでようやく定住の地を掴んだ。来季に繋がるゴールをどれだけ重ねられるだろうか。

 

 

 

個人的順位予想

1. ユヴェントス

2. アタランタ

3. インテル

4. ラツィオ

5. ミラン

6. ローマ

7. フィオレンティーナ

8. ナポリ

9. サッスオーロ

10. ボローニャ

11. サンプドリア

12. トリノ

13. ヴェローナ

14. カリアリ

15. エンポリ

16. ジェノア

17. ヴェネツィア

18. ウディネーゼ

19. スペツィア

20. サレルニターナ

 

 大きな放出なくアッレグリとロカテッリを迎えたことで、残念ながらユーヴェの戦力は大幅に上がった。他の多くのライバルクラブがネガティブな要素を少なからず抱えているところからも、スクデットはもはや義務的なレベルにあると言っていい。完成度で他に勝るアタランタがユーヴェに次ぐ。

 ルカクとハキミを失ったインテルだが、それでも戦力的にはCL出場権を得るに相応するレベル。ラツィオミランでは、EL慣れしているラツィオに対してCLとの両立の困難さを予想し、ミランを5位にした。チャルハノールの穴も小さくないだろう。ローマはモウリーニョの話からも、今季は基盤作りとみて6位に置く。スピナッツォーラの負傷期間がチームの順位に影響しそうである。

 7位はヴィオラが勝ち取りたい。イタリアーノに期待する。そのためのポテンシャルはある。ナポリを8位に置いたのは、監督を新たにしたにも関わらず、メルカートで動けていないため。ナポリに残っている選手は言わずもがなグッドプレーヤーばかりだが、第一次モンテッラ政権で3位争いに勝てなかったリベンジをなんとかここで果たしたい。

 中位はさておき、降格予想である。イタリアーノを抜かれ、ピッチ外でも問題を抱えたスペツィアは厳しいとみる。デ・パウルでここまでもっていたウディネーゼも、彼の後釜もままならない状況ではそろそろ限界ではないか。サレルニターナは戦力面での不安と、オーナー問題からかの順位だと予想する。ヴィオラがお話にならないチームになったのは、オーナーの変わり目からである。ピッチ内外全てが整った状態になければ、Aで戦うのは難しい。

 

 ユーヴェの連覇が遂に止まった昨季から、クラブ監督の多くが変わって新たなフェーズを迎えたセリエA。EUROではアッズーリが快進撃を見せ、イタリアーノ(イタリア人)が勝者となった。僕らのイタリアーノも、フィレンツェの地で新たなセリエAの勝者になる。毎週のように食べていた味のしない朝食はもう終わり。今季からがフィオレンティーナじゃい!!!!!