密かにヴィオラを応援し始めてから約15年。
夢中で応援するようになって約5年。
僕の近くに仲間は見つからなかったけれど、幸いにもインターネットという仮想空間で何人かの仲間に出会うことができた。
彼らはバティやルイ・コスタを知らない新参者の僕を温かく迎え入れてくれた。
そうして指で議論を交わしながら一喜一憂のシーズンを過ごしていくようになった。
そして昨日、仮想空間は仮想ではなくなった。
待ち合わせ場所は新大久保駅前。
時間的にも駅前は大混雑で、服装の特徴などは事前に聞きながらも画面と現実を交互に見ながら探すのは至難の業であった。
僕が最初に出会ったのは、あご髭を生やした背の高い若い男性。
シャツの下から覗く首元の赤白ラインと紫の生地は紛れもなく昨季のユニフォームだった。
「山本さんですか?」
そう声をかけると大当たり。
僕が人生最初に出会った日本人ヴィオラサポの仲間はCOLT-山本さんになった。
二人で改札の向かいの吉野家に場所を移すと、次に合流したのはガタイの良い男性と物腰柔らかそうな男性の二人組。
幹事を務めてくださったまささんと二度寝そさんである。
挨拶を交わして少し話していると、改札から信号を渡ってやってくるのがバッグにヴィオラのストールを巻いた男性。
「随分混んでて遅れるかと思った」と笑いながら話すこちらが旗立てさんであった。
そして最後、待ち合わせ時間丁度に優しげな表情の最年少、なるさんを迎えて食事会の会場へと足を運んだ。
まささんオススメだという韓国料理屋さんはリーズナブルなわりにボリューミーで味も良く、この間も普段溜め込んでいたヴィオラトークに花を咲かせていった。
それぞれがヴィオラを好きになったきっかけや今のチームやセリエについて等、とんでもなくマニアックな話が展開される中、気がつけば会場への移動時間に。
レンタルスペースに会場を移すと、僕と寝そさん、なるさんの三人がスクリーンとデバイスをセットして、まささん、旗さん、山本さんの三人がつまみや飲み物の買い出しから戻ってくる。
試合までの待ち時間。
僕が思い付きで呟いた「歴代所属選手縛りのドラフト11」企画が実現されることに。
これについては次の記事で詳しく書こうと思うので、ヴィオラファンの方はお楽しみに。
とてもマニアックな企画で予想以上に盛り上がった。
ただ、僕はもうまささんとこの企画はやらないことにした。
随分前置きが長くなったが、ここまでの時間は本当にあっという間だった。
初対面とは思えないほど話が盛り上がり、何故か最終的に時計の話やプロ野球の話、仕事の話、過去の恋愛話等にまで話が広がった。
この辺はプライベートに立ち入りすぎているのでここでは控えさせていただく。
さて、そうして迎えたラツィオ戦である。
内容はと言えば、満場一致で「悪い」であった。
それはそれで盛り上がったが。
では、採点である。
尚、ヴィオラ会ダイジェストはここまでで、採点以降は普段の口調に直して試合の中身について記していこうと思う。
ラフォン 5.5
失点シーンだけ見れば仕方ない。ただ、不安なのはサイドからふわりとファーに向けて上がったクロスへの対応である。二戦連続で危険な対応があった。
ミレンコビッチ 6.5
右サイドのディレイは完璧な対応であった。簡単に止めに行くのでなく、時間をかけて枚数を揃えるという選択は攻撃力の高いチーム相手に正しかったと言えるだろう。
ペッセッラ 6.5
危機察知の能力は申し分ない。この試合でも安定感抜群のパフォーマンスで数々の決定機になり得る場面を食い止めた。
ウーゴ 6.0
黄カードをもらったプレーはそこで止める以外の選択肢はなかったため、間違いではない。スライディングの技術が上がったが、スライディング頼みにならないかが心配でもある。
ビラーギ 6.0
この試合で裏を狙われたり決定的なミスを犯すようなことはなかった。攻撃面で必要な時に左のサポートに入っていたのはしっかり効いていた。
ベナッシ 5.0
この試合のワースト。絶対に放してはいけない相手のマークを放し、失点を許した。完全にボールウォッチャーである。決定機を逃したのもかなり痛かった。
ヴェレトゥ 5.5
欲しかったダイナミズムは無く、かといって中盤に安定感を与えることも出来なかった。要所要所で技術を見せたところは評価できるが、欲しかったパフォーマンスはなかった。
ジェルソン 6.0
この試合において中盤で唯一計算できた選手。持ち前の運動量で攻守に貢献し、常に反撃の意思を示し続けた。
キエーザ 6.5
トッティやデル・ピエロとは違った魔法がかかっている。クリエイティヴというよりもディストラクティヴ。単騎で敵の守備を打ち破るだけの力と技術がある。あとはフィニッシュのアイデアを増やしたい。
ピアツァ 5.0
ベナッシと並んでこの試合のワースト。ポジショニングは悪く、ボールロストも多い。プレーに狙いがないのが何よりも致命的。
シメオネ 5.5
後半からはかなり修正されたが、前半はほとんど無効果されていた。良くなったとは言え、後半だけ見ても及第点とは言えないだろう。得点までの道筋が見えていない。
エジミウソン 6.0
後半からチームが少し落ち着いたのはエジミウソンがベナッシに代わったためであろう。ただ、欲を言うならばインパクトに欠ける。
エイセリック 6.0
エイセリックが入って少し攻撃が回るようになった。ボールを受けに行く姿勢は評価したい。そこからの打開にはまだ課題。
ソッティル 6.0
ピアツァにやって欲しかったことをソッティルがやった。技術面で打開力はまだまだだが、ポジショニングやプレーの意図にはピアツァよりもはるかに可能性を感じる。
いつものことですが、後半の修正以降はかなり良くなってはいました。
ただ、だからと言って良かったと済ませられはしないでしょう。
球際を激しくというよりは落ち着いた試合運びを望んでいたように見えるヴィオラですが、如何せんゴールへの道が見えてきません。
この点で最も可能性を感じるのはミララスなのですが、残念ながら負傷中です。
まず、問題はピアツァです。
このままではマリオ・ゴメス級のクエスチョンマークになりそうです。
サイドからドリブルで崩そうとしているのは分かるのですが、果たしてその先に何を狙っているのかが見えてこないのです。
仕掛けも単調で変化がないため、ほとんど一対一で勝てていません。
フィジカルを活かしたプレーもここまでほとんど無く、マンオブザマッチの活躍と呼べる試合はゼロ。
山本さん曰く、「エクセル出来ます」という肩書きで入ってきた新入社員が表も出来ていないという感じだそう。
なるほど納得です。
この試合もそうですが、アウェーでここまで「こりゃ絶対勝てない」という試合がありません。
ホームでは...という内容ばかりです。
勘違いしてはならないのが、それは決して良いことではないということです。
「こりゃ勝てない」という試合をドローにし、「引き分けかな」という試合を勝ちに持っていかないと欧州の舞台には立てません。
今節のインモービレはそれが出来る選手です。
イカルディなんかもそうですね。
シメオネもそうならないといけない。
直近でそれが出来たヴィオラのプレイヤーがジュゼッペ・ロッシですよね。
優れたストライカー無しに躍進はあり得ません。
来週は代表ウィークになります。
次節は勝利がノルマのカリアリ戦です。
ここで一旦切り替えて、勝ちにこだわるチーム作りを進めていってほしいですね。
ドラフト11とヴィオラ会の感想は次の記事に書こうと思います。
ご意見・ご感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
拙い文章読んでくださってありがとうございました。